こんばんは。魔女さんのお家はここでしゅか?(フォーちゃん)
おお、フォーチュンよ、良く来たのぉ~とマリオネットおばばは
顔をほころばせて言い ました。
わしがな、フォーチュンを呼びよせたのは、この子が幸せの名を持つ子だから
なのじゃ 。(マリオネットおばば)

おばば、フォー子じゃ駄目なの?(つかさ)
フォー子も可愛いが、フォーチュンは世に幸せを届ける大切な使命が授けられておるの じゃ
(マリオネットおばば)



フォーちゃん照れるでしゅょ~~(フォーちゃん)
おおそれじゃ。十年前からちーぃとも変わらんのう~。(マリオネットおばば)
それって成長が無いだけなんじゃないの?(つかさ)
いいや、フォーチュンはわしらより長く生きておる人形じゃぞ。
なのに世俗の汚れを微 塵も受けない大きな美しい魂が宿っておるんじゃな。
(マリオネットおばば)
幸せは、生きる者皆の希望じゃからのぅ。
もしかして希望のエキスを宿しておるかも知 れぬなぁ?(おたね)
フォーチュンよ少し泣いてはくれんかの?(おたね)
フォーちゃんは…泣いた事がないのでしゅけど(フォーちゃん)
確かに転んでも泣いた事がないね…(つかさ)
うーん、つかさが良い事考えた.
おにぃは甘いものが大好きだから、おばばの泣き虫ケーキなら
泣くかもしれない。おばば試してね。



それでは泣き虫ケーキを作るとするかぇ(マリオネットおばば)
おばばさま、私もケーキ作り手伝います(なちゅれ)
あっ、僕もイチゴ飾らせてください。僕は赤いイチゴが大好きなんです(ダレン)
ネコたちや、冷蔵庫から材料を運んでくれぬかぇ。
わしは、泣き虫をバニラ風味に変えねばならぬかのぉ(マリオネットおばば)



名は泣き虫と言うが、鳴くことはめったにない。だから捕まえるのが難しい貴重な一匹なのじゃ。。これは効くぞ。 泣き虫の効果は数分じゃ。花尾鳥よ、フォーチュンの涙が出たら
急いで採取するのじゃぞ(マリオネットおばば)
フォーにぃ、美味しいケーキだよ~(つかさ)

とても変わったトッピングでしゅねぇ~これは食べても大丈夫でしゅか?(フォーちゃん)
フォーチュンよ、泣き虫は魔法界の珍味じゃ。わしが祝いに食べる予定じゃったが、
あと十年でバイロ生誕100周年じゃ。
90年周年記念にアンティークバイロたちの代表としてお前が食べるがよい
(マリオネットおばば)

それは名誉な事でしゅね。ありがとうでしゅ~。そういって、大好物のケーキをフォーちゃんは嬉しそうにたべました。




とてもおいちぃでしゅ~。。天国のグレイスママしゃん僕たちを生んでくれてありがとうでしゅ。。
僕たちは世界中で今も可愛いがられていましゅよ~。。。。。。(フォーちゃん)

おぉ、なんと綺麗な輝く涙なんじゃ 人間界は過酷な世界じゃがな、
人形たちを愛した人間も沢山おったと言うことじゃな。(おたね)


お人形しゃんのお仕事は、沢山の人の心を癒すことなのでしゅ。
フォーちゃんたちは赤ちゃん人形なので遊んでくれたり、抱っこしてくれたり可愛がってくれる
お家に行きた いのでしゅ~(フォーちゃん)





 魔女たちが思ったとうり、フォーちゃんの涙には幸福と
希望のエキスが含まれおりまし た。3つの小瓶におたねババは魔法を
かけました。小瓶はガーネット、ペリドット、オパールに姿を変えていました。



さぁ、これでそなたを星の世界に返せるぞぇ(マリオネットおばば)
星の世界への帰還、それは大好きなダレン君とお別れする時です。
なちゅれちゃんの事、僕は絶対に忘れ無いょ。お別れは辛いけれど、
なちゅれちゃんの 幸せを誰よりも祈っているからね(ダレン)
またなちゅれの瞳からキラキラと光る宝石の様な涙の粒が溢れました



3つの宝石を前にして魔女たちは呪文を唱えました。

エクスペナチュレパトローナム!!エクスペナチュレパトローナム!!
エクスペナチュレパ トローナム!!    
宝石から出た光は星の世界へとぐんぐんと登って行きました。





その時
私を呼ぶのは誰ですか?と美しい声が聞こえきました。
「あっ、守護者さま、私です。なちゅれです。」(なちゅれ)
光の中から、美しい女性が現れて言いました。
「ダレンに会えたのですね」「そなたは忘れているかも知れませんが、
ダレンに逢いた くて星の世界からこちらに降りたのですょ」(なちゅれの守護)
え?何も覚えていません(なちゅれ)



「星の世界で貴方は勇者の星に憧れ眺めていたのです。
ペルセウス星座群の中に守護者 を持つダレンに逢うために
星の世界から落ちたのです」(なちゅれの守護)
だからダレン君に会えて幸せを感じたのですね(なちゅれ)



守護者さま、ここに残ることは叶いませんか?(なちゅれ)

「星の者は天にあっても地にあっても、いつかは消える運命なのです。
ただし消える前 にひとつだけ、星の世界の者には願いが叶います。
もうそなたには時間がありません。
私と共に参りましょう」(なちゅれの守護)
光の中を二人は登っていきました。



なちゅれちゃん、さよなら。なちゅれちゃん、さょなら。
ダレンの目にも涙が溢れていました。



それから暫くして東の夜空の星のひとつが、一瞬大きく瞬き消えていました。



ダレンや~元気がないのう。(マリオネットおばば)
お前は勇気の子じゃぞ。悲しみに打ち勝つのも勇気なんじゃ(おたね)
そうじや、マダムフォーサイスに行って好きなものを買ってやろう。(おかね)
ダレンとベアハウスに入ったおかねババは元気の出る赤い色のベアを買ってあげました。



ダレンや、頑張るのじゃぞ。
そうじゃ、ダレンも魔法学校に入学でもするかのぉ?(おかね)

明日は魔法学校の夏休み体験学習じゃ。魔法服で無くても良いぞ。お試しじゃからな。
ブライドババも参加する予定じゃ。あれも育成が必要じゃからのぅ。
(マリオネットおばば)



教室に入るとブルーの服を着た少女がおりました。



なちゅれちゃん!!!!(ダレン)
少女は微笑みを返して言いました。
記憶が余りないのだけど最後に魔女の館に戻りたいと願ったのは覚えているわ
(なちゅれ)

なちゅれの願いは星の守護者たちにより叶えられた。
初めましてになるんだよね、なちゅれちゃん。(ダレン)
はじめまして。私は福ちゃんだよ~私ね蝶々になるのが得意なんだ。
今度見せてあげるからね。(福ちゃん)
逢ったことあるのでしゅが、初めまちてでしゅ~。
僕はフォーちゃんでしゅよ。(フォーちゃん)
つかさの事も忘れないでね。無口なフォー子も挨拶しないとダメだよ。(つかさ)
うん。。。はじめまちて。
あっ、まこはんもぐりちゃんも体験学習に来てましゅ~。(フォー子)
学校には初めましての挨拶がいつまでいつまでも続いていました。
もしかして、貴方の周りの仲良しさんも、初めての知り合いではないかも知れません。
なちゅれちゃんの様に、みんな忘れているだけの大切なお友達なのかも
知れません。

めでたしめでたし