つかさちゃんのシンデレラ1



 むかしむかし、あるところに、それはそれは美しい、
つかさちゃんと言う娘がおりました。
つかさちゃんのお母さんは、 悲しいことに病で亡くなってしまいました。
 そこで、お父さんが二度目の結婚をすることになり、つかさちゃんには
新しいお母さんと二人のお姉さんが出来たのです。




 ところが この継母たちときたら、そろいもそろって、大変意地の悪い人たちだったのです。
継母は、自分の娘たちより綺麗で気立ての良い、つかさちゃんが どうしても気に入りません。
「まあ、何て、にくったらしい娘だこと!」(バレンタイン)
継母と二人のお姉さんたちは、大変でつらい仕事は、すべて、つかさちゃんに押しつけ
つかさちゃんの寝る布団も、粗末なわら布団にし、替えの服も取り上げる始末、
そのため服はボロボロで、つぎ当てだらけなのです。
 お風呂にも、なかなか入れてもらえず、つかさちゃんの頭には、いつもかまどの灰が付いていました。
 そこで、そんな つかさちゃんの事を継母たちは、『灰をかぶっている』と言う意味で、
シンデレラと呼んだのです。
 本当に可愛そうなシンデレラでしたが、お姉さんたちより何倍も何倍も綺麗でした。





ある日の事、お城の王子さまが、お嫁さん選びの舞踏会を開く事になりました。
もちろん、シンデレラの家にも招待状が届きました。

「もしかすると、王子さまのお嫁さんになれるかもしれませんわね。おほほほ・・・」
(ブライド)

「もしかするとじゃなくて、必ずお嫁さんになるんでしゅよ。」(ちびフォー)

 継母と二人のお姉さんたちは、大はしゃぎです。

「お姉さま、私も舞踏会へ行きたいです。年頃の娘は 全員招待されているのですよね。
つかさも、年頃ですから、参加してもよろしいのですよね? 」(つかさシンデレラ)


すると継母はこう答えました。
「シンデレラ。もちろん行っても良いわよ。ただし、言いつけられた仕事をすべてすま
せてからね。それから舞踏会に行くのに ふさわしいドレスも用意出来たらのことだけどね。
ふふふ」(バレンタイン)








それを聞いてシンデレラは、大喜びで仕事に励みました。
でも継母は、シンデレラを喜ばせておいて、次から次へとこなしきれないような仕事を
言いつけ、舞踏会に行かせない魂胆だったのです。



シンデレラの二人のお姉さんは、いそいそと舞踏会へ行く支度をしに行きました。

 お化粧をして、綺麗なドレスに着飾るとお城へ向かいました。
「王子様のハートを射止めるのは私でしゅよ!」(ちびフォー)

小さいお姉さんはお洒落なので、お着替えまで持って張り切ってます。


シンデレラは舞踏会に、亡くなった お母さんの形見のドレスを着て行こうと思っていました。
そのことを知った、意地悪な継母と二人のお姉さんは、シンデレラに気づかれないように
ドレスを目茶目茶破いてしまっていたのです。
とても、お城へは着て行けません。
「あ〜〜 私もお城へ行きたいわ。でも、もう間に合わない。悲しい・・・」(つかさシンデレラ) と泣いていました。



その頃 お城では、続々と年頃の娘が着飾って集まって来ていました。
シンデレラの二人のお姉さんも もちろん到着しています。

隣町からやって来た福お嬢様。心配なお母様も着いて来ています。
「お母様、王子さまってどんな方かしら?」(福ちゃん)

「王子様ですもの。それは素敵な方だと思いますよ。」(母ジュエル)

 
その頃、シンデレラは途方に暮れて、一人でお城の方を見て泣いていました。
その時です!! 何処からか声がするではありませんか。
「泣くのはおよし、シンデレラ」(おたね)
「・・・?えっ! 誰 誰かいるの?」(つかさシンデレラ)

 すると どうしたことでしょう。シンデレラの目の前に、魔法使いのおばあさんが現
れたではありませんか。
「シンデレラ、お前はいつも仕事を頑張る、とても良い子だね。
 そのご褒美に、わたしが舞踏会へ行かせてあげようではないか」(おたね)

「本当ですか?」(つかさシンデレラ)

「さあ、時間がないよ!急いで畑に行って、かぼちゃを取っておいで。
それからネズミと白いハツカネズミもいるね。」(おたね)




魔法使いのおばあさんが杖を振ると あっという間に、かぼちゃは馬車に 
ネズミは御者に そして白いハツカネズミは、なんと白馬に変わってしまいました。




魔法使いは、さらに杖を振り、灰だらけのボロボロの服を素敵なドレスに変えてくれたのでした。
どうじゃ、これで舞踏会に行く準備は出来たじゃろ。
それと このガラスの靴をあげよう。そういって魔法使いは、シンデレラに小さくて素
敵なガラスの靴をくれました。




美しいドレス、かぼちゃから作った豪華な馬車、きらめくガラスの靴、
シンデレラはとても喜びました。

最後に魔法使いはシンデレラに1つだけ注意を与えました 。
「ただし、12時を過ぎると馬車もドレスも魔法が解けて元の姿に戻ってしまうから、
どんなに楽しくとも必ず12時までには戻るのじゃよ。」(おたね)
 
「わかりました。おばあさん、本当にありがとう。必ず12時に戻ってきます。」(つかさシンデレラ)
そう約束して馬車に乗ると、大喜びで舞踏会へ出かけて行きました。