犬のおまわりさんV |
パトカーを眺めていると、どこからともなくギコギコとうるさい音が聞こえてきます。 それはチャリンコに乗ったイザベルでした。 「パトカーがあるから、ここが交番よね。ということは、君がおまわりさんなの?」(イザベル) 「はい、一応制服も着てますからそういうことですワン。」(ワンダフル) 「家の猫のニャイーンが迷子になってしまったのよ。年末の予定が前倒しになって 私と物語に慌てて出演したんだけど・・・終わって私はイザベルの部屋に帰って来た のに、ニャイーンが帰ってないの。」(イザベル) 「迷子のお問い合わせですね?お名前はニャイーンさん。種別は猫ちゃん。」(ワンダフル) 「お願い、探してきてね。きっと、長靴を履いた猫のお部屋よ。」(イザベル) 「おまかせください。本官探して参りますだワン。」(ワンダフル) 地図を広げると長靴を履いた猫の看板が見えます。それに触れると何やらお城の中の セットのような場所に出て来てしまいました。 「こんにちはだワン。誰かいませんキャン?」(ワンダフル) しばらく大きな声で吠えて、いえ叫んでいると、この城の主らしい王様が現れて言いました。 「あれ、ワンダフルしゃんでしゅね。」(フォーちゃん) 「えぇぇ、フォーちゃんが王様なんですキャン?」(ワンダフル) 「細かい質問はお話が長くなるので、要件だけ言ってくだしゃいね。」(フォーちゃん) 「はい、ニャイーンさんを見かけませんでしたか?」(ワンダフル) 「ニャイーンしゃんは、もうだいぶ前にお城からおうちに戻ったはずでしゅよ。」(フォーちゃん) 「戻ってないから迷子の捜索願いが出ているのですワン。。どこにいるのでしょ? 何か心あたりはありませんキャン?」(ワンダフル) 「そういえばでしゅよ。バレンタインしゃんと仲良しでちたね。昨日もまたたびを抱 えて歩いてまちたよ。」(フォーちゃん) 慌てて地図を開くと、バレンタインちゃんのおうちらしき場所が見えます。王様の フォーちゃんといっしょにその場所に移動すると家の中から「ゴロニャーン。」と甘えるような 鳴き声が聞こえてきます ワンダフルは震える手で警棒を握り、おもいきって中に入りました。 「バ・・・バレンタインちゃん、ご・・・御用ですワン!!」(ワンダフル) 「ちょっとなんなの?間違えないでよね。私はニャイーンに脅かされて、またたびを運 んで来てあげてるだけなんだから。」(バレンタイン) 「あれぇ?そうなんですキャン?ニャイーンさん。イザベルさんから捜索願いが出ているんですよ。」(ワンダフル) 「ええっ、それはまずいにゃ〜。まだ帰りたくないのだにゃ〜。」(ニャイーン) 「そんなこと言っても、だめなのですワン。」(ワンダフル) 「フォーちゃんも、王様ごっこに飽きたのでそろそろ帰りましゅから、バレンタインちゃんも いっしょに行ってくだしゃい。」(フォーちゃん) 近くにあったまたたびをバレンタンちゃんが抱えて持ったので、ニャイーンもしぶしぶ着いて 帰ることになり、皆でイザベルのお部屋に移動しました。 そこには、心配していたエルもズミーも待っていて大喜びで迎えてくれました。 ニャイーンとの再会に喜んだイザベルちゃんは、ワンダフルにお礼の箱をくれました。それは虫よけスプレー が入った害虫駆除交番用のスペシャルセットでした。これって、魔女の森でも必要なのでしょうかね? 本物のおまわりさんの巡回はないけれど、一度は魔女の森行ってみたいと思いませんか?! なんだかすごーく楽しそうですよ。 おしまい |